玄米とは?
玄米とは、収穫した稲の実を精米する過程で籾殻(もみがら)だけを取り除き、糠(ぬか)と胚芽(はいが)を残した米のこと。
一方、白米は「精白米」といい、精米の際に籾殻だけでなく糠、胚芽も取り除きます。
玄米から白米のあいだには、糠と胚芽をある程度残して精米した「分(ぶ)づき米」があり、残っている糠と胚芽の量によって「3分づき米」「5分づき米」「7分づき米」に分かれます。
数字が小さい程、玄米に近くなります。
数字が大きいほど白米に近く、3分づき米は玄米から糠を少し取り除いた状態、7分づき米はわずかに胚芽を残して糠を7割程取り除いた状態。
「玄米に興味があるけど、硬めの食感が苦手」「癖があって食べづらい」と感じている人は、分づき米から試してみるのがおすすめです。
分づき米の違い
米の状態 | 特徴 |
---|---|
玄米 | 籾殻のみを取り除いたもの。 茶色で、水分が少なくボソボソした食感。 |
3分づき米 | 玄米から糠を少し取り除いたもの。 まだ玄米に近い茶色で、ボソボソ感も多少残る。 |
5分づき米 | 玄米と白米のちょうど中間まで精米したもの。 胚芽のついた米が半分くらいで、玄米よりは食べやすくなっている。 |
7分づき米 | 胚芽が2~3割残っている程度で、色も白に近くてだいぶ白米に近い。 食感もやわらかめで、玄米初心者におすすめ。 |
白米 | しっかり精米されていて白色。 もちもちしていてやわらかい。 |
玄米と白米、体に良いのはどっち?
玄米の糠と胚芽には多くの栄養が含まれており、玄米と白米とでは含まれる栄養素の種類や含有量に違いがあります。
玄米と白米(ごはん)の栄養素(可食部100gあたり)
エネルギー | 水分 | 食物繊維 | カリウム | マグネシウム | リン | 鉄 | ビタミンB1 | 葉酸 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
玄米 | 152kcal | 60.0g | 1.4g | 95mg | 49mg | 130mg | 0.6mg | 0.16mg | 0.01mg |
白米 | 156kcal | 60.0g | 1.5g | 29mg | 7mg | 34mg | 0.1mg | 0.02mg | 0.003mg |
白米の栄養素は炭水化物、たんぱく質、水分、食物繊維がメインなのに対し、玄米はミネラル(カリウム、マグネシウム、リン、鉄など)、ビタミンB群(B1、葉酸など)が白米より多く含まれています。
また、食品標準成分表のロジックにより、数値的には大きく変わらないように見える食物繊維も、実は玄米のほうが豊富。
高い抗酸化作用を持つ機能性成分のポリフェノールも多く含んでいます。
このことから、玄米には白米にない効果も期待できるといえます。
白米が体や脳の働きを助けるエネルギー源になるのがメインなのに対し、玄米はエネルギー源としてはもちろん、ミネラルやビタミンの恩恵も受けられるのです。
玄米を食べることで期待できる効果
ここからは、玄米を食べることで得られるであろう効果を、具体的に見ていきます。
不溶性食物繊維が多く、太りにくい
白米より玄米に多い不溶性食物繊維は、水分を吸収して便のカサを増し、大腸を刺激して排便を促します。
余分な脂質や糖質、ナトリウムのほか、腸内の悪玉菌を排出して体内の免疫力を最大化してくれる働きもあり、腸内環境を整える腸活にもおすすめの栄養素です。
また、繊維質は噛み応えがあるので、自然とよく噛んで食べるようになり、少ない量で満腹感を得ることができるのもメリット。
よく噛んでゆっくり食べることで糖質の吸収速度がゆるやかになり、肥満や糖尿病のリスクも抑えられます。
豊富なビタミンB群で代謝が活発に
玄米には、ビタミンB群(B1、B2、B6、葉酸、パントテン酸)が白米よりも多く含まれています。
ビタミンB群には、糖質やたんぱく質、脂質を分解してエネルギーに変える「代謝」を助ける働きがあります。
代謝が良くなると1日のエネルギー消費量が増え、太りにくくやせやすい体質に。
新陳代謝が活発になるため、肌のターンオーバーが促進されて美肌効果も得られます。
また、葉酸には血液を作る機能を正常に保つ役割があるほか、新しい細胞の合成をサポートする働きもあります。
特に、細胞増殖が盛んな胎児の発育には不可欠なので、妊娠前・妊娠中の女性は積極的にとりたい栄養素です。
体内で合成できないミネラルを効率的にとれる
ミネラルは、歯や骨などの組織を作ったり、健康な状態に維持・調整したりする働きがある5大栄養素のひとつ。
体に必須の栄養素ですが、体内で合成することはできないため、食事から必要量を補う必要があります。
玄米は、ミネラルのうちカリウム、マグネシウム、マンガン、銅、鉄、亜鉛、リンといった多様なミネラルをバランス良く補うことができます。
玄米はダイエットにもおすすめの低GI食品
玄米は低GI食品としても知られています。
GIとはGlycemic Index(グライセミック・インデックス)の略で、食品に含まれている糖質の吸収度合いを示す指標。
食品を摂取してから2時間までの血液中の糖濃度を表しています。
糖質の吸収度合いが高い食品(高GI食品)を食べると、食後の血糖値が急激に上昇し、反対に低GIの食品を食べるとゆるやかに上昇します。
ただし、同じ物を食べても食後の血糖値の変化には個人差があるため、あくまでも平均値として参考にしてください。
GI値は、数値によって次の3つに分類されます。
GI値の分類(目安)
・低GI(55以下)
・中GI(56~69)
・高GI(70以上)
白米のGI値は「77」ですが、玄米のGI値は「55」となるため、低GI食品に含まれます。
では、低GI食品には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
食後の血糖値の急激な上昇を抑え、疾患を予防する
高GI食品を食べることで、血糖値が急激な上昇・下降を繰り返すと血管に負担がかかります。
これが続くと、やがて心筋梗塞や脳卒中を引き起こす動脈硬化の原因に。
健康診断などで測る血糖値は空腹時の値なので、食後の高血糖や、食後数時間が経過して血糖値が正常値に下がったのかは見逃されがちです。
何を食べるか迷ったら、GI値を意識した食品を選ぶことをおすすめします。
満腹感が長く続き、太りにくい食習慣が身につく
血糖値の上昇がゆるやかになると、摂取したエネルギーの持続性が高まり、空腹の信号が出るのが遅くなります。
すると、満腹感が長続きするため、ドカ食いや間食をしないようになるはず。
カロリーが同じであっても、GI値は食品ごとに異なるため、太りにくい体を作るには低GIの食品を選ぶのがポイントです。
脂肪の蓄積を抑える
食事から摂取したブドウ糖をエネルギーに変え、血糖値を下げるインスリンには、「過剰な糖を脂肪に変える」働きもあります。
GI値の高い食品を食べて急激に血糖値が上昇した場合、インスリンも大量に分泌され、余った糖を脂肪に変えます。
しかし、低GI食品は血糖値がゆるやかに上昇するため、インスリンの分泌量が抑えられて、脂肪の合成が抑制されるのです。
玄米だけだと足りない栄養素は、主菜・副菜で補おう
玄米はさまざまな栄養素を含んでいますが、すべての栄養素を網羅しているわけではありません。
玄米に含まれていない下記のような栄養素はおかずで補い、栄養バランスを整えるようにしてください。
玄米に含まれていない主な栄養素
ビタミンC
ビタミンCは緑黄色野菜たっぷりのサラダやおひたし、ジャガイモやサツマイモなどの味噌汁、柑橘類などで補えます。
サツマイモとパプリカを玄米といっしょに炊き込むのもおすすめですよ。
カルシウム
ミネラル類で唯一含まれていないカルシウムは、乳製品、納豆、海藻類に多く含まれます。
「あと1品」の副菜としてめかぶを追加したり、食後にヨーグルトを食べたりするなど、工夫をすると◎。
ビタミンD
ビタミンDは、きのこ類や魚からとることができます。
主菜をイワシやサンマ、鮭などの魚にしたり、きのこの炊き込みご飯にしたりするといいですね。
1日1食から、玄米を食生活に取り入れよう
今回ご紹介したとおり、玄米は美容や健康に高い効果を発揮する優秀な食品です。
ただ、玄米は消化があまり良くないので、食べすぎると消化不良で内臓に負担がかかることも。
豊富な栄養素をとりきれないばかりか、ほかの栄養素の吸収を阻害する原因にもなるため、毎食玄米にするというよりは、1日1食、朝食か昼食のいずれかに食べるか、白米と混ぜるのがおすすめです。
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おいしい玄米を日頃の食事に取り入れて、健康維持を目指しましょう。
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