さくらんぼがおいしい旬は?代表的な種類や含まれる栄養素を紹介

さくらんぼの旬

新緑が鮮やかさを増し、夏の気配が漂う頃になると、いよいよさくらんぼの季節です。

見た目のかわいらしさと、口に含んだときの甘酸っぱさが人気の理由ですが、味の特徴は品種によって少しずつ異なります。
また、意外と栄養が豊富な果物であることはあまり知られていません。

さくらんぼを最もおいしく食べられる旬の時期や代表的な種類、さくらんぼに含まれる栄養素などについてご紹介します。

さくらんぼの旬は?

さくらんぼは、吹く風に暖かさが混じる初夏が旬とされています。

品種によって多少違いがあるほか、ハウス栽培のものは少し早めに出回りますが、だいたい5~7月に旬を迎えるものが多いです。

さくらんぼの栽培が最も盛んなのは山形県。
農林水産省が2023年に公表した「作物統計調査」によれば、同年の山形県の収穫量は全体の75%を占めました。

さくらんぼの主な種類とその特徴

さくらんぼと一口にいってもその種類はさまざまで、日本国内では約30種類のさくらんぼが栽培されているといわれています。

種類によって大きさや味、硬さなどに違いがあるので、好みも分かれるのではないでしょうか。
ここからは、日本で採れる主なさくらんぼの種類と、その特徴についてご紹介します。

佐藤錦(さとうにしき)

佐藤錦

佐藤錦は「さくらんぼといえば…」といわれるほど、一般的によく知られている品種です。

さまざまなさくらんぼを栽培している山形県でも、佐藤錦の栽培面積は全体の約70%(※)と圧倒的なので、日本を代表する品種といって過言ではありません。

さくらんぼの中では中生種に該当し、早ければ5月中旬から出回り始め、7月初旬まで楽しむことができます。

甘味と酸味のバランスが抜群で、果汁も多め。
黄色い地につややかな赤さをまとった外見が美しく、果肉が硬めで日持ちがするため、贈り物にしても喜ばれます。

農林水産省「令和3年産特産果樹生産動態等調査」

高砂(たかさご)

高砂は、かわいらしいハート形の実と、結婚式で新郎新婦が座るメインテーブルと同じ名前から、お祝いにもよく使われます。
山梨県が主な産地で、旬は5月中旬頃です。

日本では長い歴史を持つ品種で、さくらんぼ本来の酸味が勝る味わいを好む人は少なくありません。
実がやわらかく劣化が早いため、手に入れた際はできるだけ早く食べきるのが◎。

香夏錦(こうかにしき)

佐藤錦と高砂を交配して福島県で生まれた香夏錦は、それぞれの長所を受け継いだ品種。
現在は山形県のほかに青森県や新潟県でも収穫されており、佐藤錦や高砂より早く、5月下旬には出回り始めます。

収穫前は黄色が強いですが、熟すと全体が赤くなるのが特徴。
高砂のやわらかな食感と、佐藤錦の甘味が一度に味わえて、酸味はまろやかです。
さくらんぼの酸っぱさがあまり得意でない人にも食べやすいと思います。

紅秀峰(べにしゅうほう)

紅秀峰

6月下旬~7月下旬に収穫される晩生種の紅秀峰。
山形県の中でも佐藤錦に次ぐ収穫量を誇り、もちろん全国で最も紅秀峰が採れるのも山形県です。

佐藤錦と天香錦を交配して生まれた品種で、佐藤錦に比べると大きめで食べ応えがあります。
糖度は非常に高く、佐藤錦に勝るとも劣りません。

実が硬く日持ちがするため、お中元などに利用する人も。

ナポレオン

6月下旬~7月上旬頃に収穫されるナポレオンは、山形県で主に収穫されます。
ヨーロッパで長い歴史を持つ品種で、明治時代に日本にもたらされたといわれています。

いかにもさくらんぼらしい甘酸っぱさが特徴的。
酸味が強いものの甘味とのバランスは良く、さっぱりとした後味を好む人におすすめです。

果肉がやわらかくてデリケートな品種なので、取り扱いにはご注意ください。

南陽(なんよう)

南陽

ナポレオンから生まれた品種である南陽。
ハート形の実はナポレオンより少し大きめですが、種が小さいため食べやすいです。

山形県でも6月下旬頃から収穫されますが、最も収穫量が多いのは北海道で、7月中旬から下旬頃に収穫期を迎えます。

糖度が高めで酸味は少ないため、切れの良い甘さがお好きな人に◎。

豊錦(ゆたかにしき)

豊錦は、山梨県の農園で偶然生まれた品種で、5月下旬~6月初旬に収穫される早生種。
現在も山梨県を中心に収穫され、福島県などでも栽培されています。

見た目は鮮やかな赤色のハート型で、果肉はクリーム色をしています。
果肉はやわらかく果汁が豊富で、酸味が少ないのが特徴。熟すにつれて味わいが濃くなります。

紅てまり

7月上旬頃に収穫される紅てまりは、果肉と果皮が硬くて日持ちする上、1粒10g以上と大きい品種です。
保存期間が比較的長く、見栄えがすることからギフトとして人気があります。

山形県で最も多く収穫されますが、山形県内で栽培されているさくらんぼのわずか1%にあたり、希少価値が高いこともギフトとして喜ばれるポイント。

パリッとした食感が特徴で、糖度は20%前後です。

北光(ほっこう)

短めのハート形で、先端部分が少しとがっている北光は、別名「水門(すいもん)」とも呼ばれます。
北海道で主に収穫され、旬は7月上旬~中旬頃です。

適度に酸味もありますが、コクのある甘さが強め。
濃厚な味わいを求める人に適した品種といえます。

さくらんぼにはどんな栄養がある?

さくらんぼの栄養素

甘酸っぱく、食後のお楽しみやおやつとして親しまれているさくらんぼは、とても栄養が豊富。

糖質が多いので食べすぎには注意が必要ですが、適度に取り入れればうれしい健康効果が期待できます。

ここでは、主な栄養素と、それぞれの健康メリットについて見ていきます。

ビタミンA・β-カロテン

ビタミンAには、目や皮膚の抵抗力を高め、健康に保つ効果が期待できます。

また、体内で必要な量だけビタミンAに変換されて作用するβ-カロテンは、上記のようなビタミンAの効能に加え、高い抗酸化作用が特徴。

老化の抑制、シミやしわ、肌荒れなどの肌トラブルの予防など、美と健康の維持に重要な役割を果たします。

葉酸

ビタミンB群のひとつである葉酸は、赤血球を作る大切な働きをする栄養素です。

貧血や動脈硬化の予防のほかにも、胎児の成長にも有用であることから、妊婦さんには積極的な摂取が推奨されています。

ビタミンC

ビタミンCは、メラニン色素の生成を抑える作用があるため、肌を美しく保つことが期待できるほか、骨や血管などの強度を保つコラーゲンを合成する作用もあり、風邪などのウイルスから身を守ることにもつながります。

また、精神面への効果もあり、ストレス軽減に有効だといわれています。

ミネラル(カリウム、鉄)

ミネラルは、人間の体を構成・維持するのに欠かせない栄養素のひとつ。
そんなミネラルの中でも、さくらんぼにはカリウムと鉄が比較的多く含まれています。

カリウムは、体内のナトリウム(塩分)量を調整して余分なナトリウムの排出を促す作用があるため、高血圧の予防やむくみの解消に期待できます。

また、鉄は血液中の酸素を体中に運ぶヘモグロビンの材料で、これが不足すると貧血を引き起こすことがわかっているので、効率的に摂取したい栄養素といえます。

アントシアニン

ポリフェノールの一種であるアントシアニンは天然の色素。
さくらんぼの皮の赤色は、アントシアニンに由来しています。

アントシアニンは強い抗酸化作用を持っており、特に目の老化を抑制する働きがあります。
視力の維持、眼精疲労の改善、眼病予防などが期待できます。

さくらんぼの保存方法

さくらんぼは温度変化に弱く、保存方法を誤るとすぐに傷んでしまうデリケートなフルーツです。

そのため、常温保存で早めに食べるのが基本。
冷蔵で届いた場合は、ペーパータオルを敷いた保存容器に移して野菜室に保存し、3日程で食べきるようにしてください。

大量に手に入ったときなど、保存したい期間が1ヵ月以上になりそうな場合は、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。
食感がシャーベット状になり、また違った味わいが楽しめます。

さくらんぼの旬を逃さず、豊富な栄養とともに味わおう

栄養豊富なさくらんぼは、品種によって旬や特徴が異なりますので、さまざまな品種を食べてみて、ご自身の好みの味を探すのも楽しいですよね。

日本全国のこだわりの果物がそろうめいぶつチョイスなら、各地の旬を逃さず、おいしい時期に産地直送でお届けします。
ぜひ、生産者のこだわりが詰まったさくらんぼを食べてみてください!