卵は栄養満点!含まれる栄養素や健康におすすめの食べ合わせを紹介

卵の栄養

風邪などで体が弱ったとき、家族に卵入りのおかゆや卵酒を作ってもらった──そんな思い出がある人は、意外と多いのではないでしょうか。

卵は、含まれる栄養素の豊富さから、「最強の栄養食」「完全栄養食品」ともいわれる食材。
疲れたときや体調が悪いときの卵料理には、きちんと根拠があるものなのです。

今回は、卵に含まれる豊富な栄養素とそのメリット、おすすめの食べ方などについてご紹介します。

卵に含まれる主な栄養素と期待できる効果

卵には、どのような栄養素が含まれているのでしょうか。それぞれの健康メリットと併せてご紹介します。

たんぱく質

たんぱく質は、筋肉や臓器、爪、髪などを作る材料になるほか、エネルギー源となって内臓の働きを助けます。
私たちの体を作り、動かすために欠かせない栄養素だといえるでしょう。

しかも、卵には人間の体内では作れない9種類の必須アミノ酸がすべて含まれており、食品のたんぱく質に必須アミノ酸がバランス良く含まれている(質の良いたんぱく質である)かを評価するアミノ酸スコアは100。
量だけでなく質の面でも優れたたんぱく源なのです。

卵(全卵)には、可食部100gあたり12.2gのたんぱく質が含まれています(※1)。
卵はMサイズの場合、1個約50g(殻なし)なので、含まれるたんぱく質量は約6.0gとなります。

たんぱく質の1日あたりの摂取推奨量は成人男性で60~65g、成人女性で50g(※2)ですから、卵1個で約10%がとれることになり、とても効率的です。

※1 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
※2 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)

脂質(オレイン酸、リノール酸、レシチン)

脂質は、人間が活動する上で不可欠なエネルギー源です。

とりすぎると脂肪として蓄積されて肥満の原因になりますが、不足すると体力や代謝の低下、ホルモンバランスの乱れなどを引き起こす原因になります。

卵には、悪玉コレステロールの増加を抑制する働きがあるといわれるオレイン酸、悪玉コレステロールを減らす作用があるといわれるリノール酸やレシチンが含まれるため、動脈硬化や心疾患の予防などが期待できます。

卵は効率的に良質な脂質をとるのにおすすめなのです。

卵の栄養

ビタミン(B2、B12、D、A、Eなど)

卵には、ビタミンC以外のすべてのビタミンが含まれています。
ここでは、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンEの働きをピックアップします。

ビタミンB2は糖質、脂質、たんぱく質の代謝とエネルギーの産生をサポートし、ビタミンB12は赤血球を作る作用があります。
また、ビタミンDは、カルシウムの吸収を高め、丈夫な骨の維持と成長促進に欠かせません。

さらにビタミンAは目や皮膚の機能を正常に保つことにつながるほか、ビタミンEには強い抗酸化力があるため、免疫機能を高めて細菌やウイルスから身を守ることが期待できます。

ミネラル(カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛など)

ミネラルは、人の体を構成するさまざまな組織を作ったり、代謝を促進したりする栄養素。

卵には、ミネラルの中でも骨や歯を作るカルシウム、カルシウムと同様に骨の形成をサポートするマグネシウム、体中に酸素を運ぶ機能をサポートする鉄、体の成長や傷・炎症の修復を助ける亜鉛が主に含まれています。

ミネラルは体内で合成できず、食材からとる必要があるため、1つの食材でさまざまなミネラルをとれる卵は積極的に活用したいところです。

卵黄と卵白で栄養素はどう違う?

卵黄と卵白では、含まれる栄養素に違いがあります。具体的に含まれる栄養素とその量は、下記のとおりです。

卵黄:ほとんどの卵の栄養素が集中している

卵黄には、卵に含まれるほとんどの栄養素が集中しているといって過言ではありません。

前項でもご紹介した、良質なたんぱく質やビタミンが豊富に含まれています。
脂質やミネラルも卵黄に多く含まれるため、カロリーは卵白より高く、卵1個のカロリーのほとんどは卵黄のカロリーです。

卵白:カロリーが少なく、美容やエイジングケアにも◎な成分も

卵白の9割は水分ですが、卵黄ほどではないものの、卵白にもたんぱく質やビタミンB群、ミネラルが含まれます。

また、茹で卵にしたときに白身の周りにある薄皮のような「卵殻膜」、生の卵白に交じる紐のような「カラザ」と呼ばれる部分は、免疫力を高めたり、肌や髪を美しく保ったりする働きのある成分を含むため、なるべく食べることをおすすめします。

卵黄と卵白に含まれる栄養素(可食部100gあたり)

エネルギー たんぱく質 脂質 ビタミンA
(レチノール活性当量)
ビタミンB2 カリウム カルシウム 亜鉛
卵黄 336kcal 16.5g 34.3g 0.69mg 0.45mg 100mg 140mg 4.8mg 3.6g
卵白 44kcal 10.1g Tr(※) 0.00mg 0.35mg 140mg 5mg Tr 0.0g

参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

※Tr:最小記載量の10分の1以上、10分の5未満。

摂取できる栄養素の量は調理法によって変わる

卵かけごはんに、茹で卵に、目玉焼きに…と、卵は調理法が多くあるほか、茹でる場合も半熟と固茹でがあり、好みが分かれますよね。

それぞれの調理法で栄養素にどのような影響があるのか気になるところですが、調理法が違っても栄養価はほとんど変わりません。

ただし、多くとれる栄養素や栄養の吸収率は調理法によって変わるため、効率良く栄養をとりたい場合は調理法も意識してみてください。

生卵

ビタミンB群や、脳の働きを高める効果も期待できるレシチンは、加熱に弱い栄養素です。
脳の活性化を図りたい、エネルギー代謝を活発にしたい場合は、生卵で食べるのが◎。

半熟卵、温泉卵

半熟卵や温泉卵は、卵の栄養を効率良く吸収できる食べ方といわれています。

白身がトロッとしていて、黄身が適度に固まった温泉卵は体への負担も少ないため、風邪で療養中のときなど、スピーディーに栄養をとりたい場合におすすめ。

温泉卵

茹で卵

爪や皮膚を保ち、育毛効果があることで知られるビオチンは、茹で卵の状態で最も多く摂取できます。

黄身の中心部までしっかり加熱すると食中毒の原因になるサルモネラ菌が死滅するため、安全に食べることができるのもメリットです。

卵を食べるのに良い時間帯

卵はいつ食べてもOKですが、栄養素の効果を体感するなら朝がおすすめです。

朝は、これからの活動に向けて体がウォーミングアップを始める時間。
卵に含まれる質の良いたんぱく質をとって、寝起きの頭と体を起こすことができると考えられます。

卵の1日の摂取目安量は?

では、卵は1日何個食べてもいいのでしょうか。

従来、コレステロールを含む卵はとりすぎが危険視され、「1日1個が目安」といわれてきました。
しかし、卵に含まれるそのほかの栄養素がコレステロール値の低減に役立つこと、また血中コレステロールの値は食品からとるコレステロールの量にあまり関係がないことがわかってからは、明確な目安量はなくなっています。

だからといって、いくらでも食べていいわけではなく、食品からとるコレステロールの量は1日200mg未満にとどめることが望ましいとされています(※3)。
健康診断などでLDLコレステロール値に異常があった場合は、とりすぎに注意が必要です。

高血圧や高脂血症、糖尿病などの持病がある人は、1日1個にしたほうがいいと考えられます。
卵のほかにコレステロールが含まれる食材を食べる可能性もあるため、健康な人でも1日1〜2個程度にとどめるのが無難です。

※3 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)

卵といっしょに食べると良い食材

卵には、ビタミンCと食物繊維を除く、主な栄養素が含まれています。
そのため、ビタミンCと食物繊維を含む食材といっしょに食べると、栄養のバランスがより良くなるといえます。

また、卵に含まれるたんぱく質と糖質を組み合わせるとアミノ酸の合成が進み、たんぱく質を効率良く吸収することが可能です。

ここでは、卵と組み合わせて食べたい食材の一例をご紹介します。

野菜、果物

卵と野菜のサラダ

野菜や果物は、卵に足りないビタミンCと食物繊維を補うのに最適です。
野菜サラダに茹で卵を加えたり、卵料理のデザートにフルーツを食べたりしてみてください。

納豆

茹で卵と納豆をおかずにご飯を食べる和朝食

納豆は、食物繊維に加え、ビタミンK2やナットウキナーゼをたっぷり含んでいます。
茹で卵と納豆をおかずにご飯を食べる和朝食は、非常にバランスの良い食べ方といえます。

ご飯、パン

卵かけご飯

糖質を組み合わせるには、ご飯やパンなどの主食(炭水化物)といっしょにとるのがおすすめ。
卵かけご飯にするほか、茹で卵とパンをいっしょに食べてみてください。

栄養バランスに優れた卵を毎日の食事に取り入れよう

1個で豊富な栄養を摂取できる卵は、毎日の食卓にぜひ取り入れていただきたい優秀な食材です。
効率良く栄養をとるなら、温泉卵や半熟卵がおすすめですが、生卵や茹で卵でも十分に栄養はとれますので、好きな調理法で積極的にとってください。

また、毎日食べたいものだからこそ、新鮮な卵をそろえたいですよね。
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