ナスの種類は豊富!それぞれの特徴やおすすめの食べ方を紹介

ナスの種類

夏野菜の代表格として親しまれているナスは、和・洋・中、どんなジャンルの料理にもよく合う食材。
地方特有の品種など種類も豊富で、それぞれ特徴が異なるため、種類ごとにさまざまなナス料理を楽しめます。

ここでは、日本国内で一般的に流通している主なナスの種類とその特徴をご紹介。
種類ごとにおすすめしたい食べ方などについて解説します。

主なナスの種類6選

ナスは、果実の大きさと形によってさまざまな種類に分かれ、代表的なものだけでも約6種類あります。
また、ナスの旬は冬春ナス(12〜6月)と夏秋ナス(7月〜11月)があり、それぞれメインの産地も異なります。

冬春ナスは温暖な高知県や熊本県などでの施設栽培、夏秋ナスは群馬県や茨城県、栃木県を中心とした露地栽培が多くを占めています。

ここでは、各地で栽培されるナスの中から、一般的に流通している6種類のナスについて、特徴とおすすめの食べ方をご紹介します。

中長ナス

中長ナス

スーパーなどでよく見かける、最もポピュラーなものが中長ナスです。
生育が良く、全国で栽培されている品種「千両」「千両二号」の名前を取って、「千両ナス」と呼ばれることも。

12~15cm程度の大きさで使い勝手が良く、皮が程良くやわらかいため、煮ても焼いても、漬物にしてもおいしいです。

長ナス

長ナス

20~25cm程の細長いナスを、長ナスといいます。
日本の在来種では、大阪府の「大阪長ナス」や秋田県の「河辺長ナス」がよく知られています。

実は総じてやわらかく、甘味があるので、焼きナスにしてシンプルに味わうのが◎。
しっとりトロトロの食感が堪能できる揚げびたしもおすすめです。

大長ナス

大長ナス

長ナスよりもさらに長い、40~60cm程になる大長ナス。

温暖な九州で多く収穫されるものは、皮は硬めで実はやわらかく、焼きナスにするとトロリとした食感と甘さを味わえます。
一方、寒い地域で作られるものは漬物向きの硬さになり、産地によって違う楽しみ方ができます。

丸ナス

丸ナス

東北から北陸、関西で栽培されている丸ナスは、ずんぐりむっくりした丸形が特徴。
実が硬めで煮崩れしにくいので、煮物や田楽にするのがおすすめです。

小丸ナス

10~20g程の、小ぶりで軽い小丸ナスは、そのサイズを活かして漬物や煮物にするのはいかがでしょうか。

小丸ナスの漬物では、調味料と辛子を混ぜたものに漬け込んだ「辛子ナス」が有名です。

米ナス

米ナス

米ナスはアメリカで生まれたナスで、サイズは比較的大きいです。
ヘタが緑色なのが特徴で、実は硬め。煮崩れしにくいので、洋風の煮込み料理がよく合います。

各地の伝統野菜にあたるナスの品種

伝統野菜とは、各地で古くから栽培されてきた在来種や古来種のことで、各都道府県が独自の基準を設けています。
ここでは、伝統野菜として販売されているナスをご紹介します。

賀茂なす(京都府)

賀茂なす

京都を中心に栽培されている賀茂なす。大きめの丸形で、実がぎっしり詰まっていて重さがあります。
油で炒めたり、濃くとった出汁で煮たりすると旨みが増します。

薄皮丸なす(山形県)

薄皮丸なす

薄皮丸なすは、山形県南部の置賜(おきたま)地域の伝統野菜です。卵形っぽさを残した丸形で、名前になるほど薄い皮が特徴。
小さいうちに収穫され、漬物として販売されていることが多いです。

泉州水なす(大阪府)

泉州水なす

大阪府の泉南地区で生産されている泉州水なすは、水分をたっぷり含んだやわらかい果肉が特徴で、生のまま食べられます。
大阪では、農作業の合間に泉州水ナスで水分補給をしたともいわれています。

萩たまげなす(山口県)

萩たまげなすは品種名を「田屋なす」といい、重量が500g以上にもなる長大なナス。
長く大きい割に肉質は細やかで、加熱調理をするとトロリとした食感が楽しめます。
丸ごと焼きナスにしたり、ナス田楽にしたりすると抜群のおいしさです。

ていざなす(長野県)

大きいもので30cm程にもなる、インパクト大のサイズを誇る米ナス系のていざなす。
長野県天龍村で主に作られていて、同じ県内でも産地以外に見かけることはまずないといわれています。
あくがなく甘味が強いのが特徴で、焼きナスにするとまろやかな食感に。

三豊ナス(香川県)

三豊(みとよ)ナスは香川県三豊市、観音寺市で作られている品種で、千両ナスの3倍程の大きさがあります。
味が濃くて甘く、肉質もやわらかいナスで、焼きナスや皮ごと漬物にして食べるのがいいといわれますが、収量が少なく稀少です。

やきなす(新潟県)

新潟市北区木崎地区のみで生産されているやきなすは、最大で約30cm、重さ300g程にもなる巨大ナス。焼いて食べたらとてもおいしかったことから、その名がつきました。
実はジューシーで、甘味がたっぷり含まれています。

紫色ではないナスもある

日本では「茄子紺」と呼ばれる紺に近い紫色のナスが一般的ですが、最近では皮の色が薄い「青ナス」や「白ナス」も見かけるようになりました。

色が青や白になる理由は、一般的な紫色のナスの皮に含まれるアントシアニンという色素成分がないから。ここでは、それぞれの特徴について見ていきます。

青ナス

青ナス

皮が緑色の青ナスは、「翡翠なす」「緑なす」と呼ばれることも。
皮は硬めですが果肉はやわらかく、グラタンや焼きナスなどの加熱調理に向いています。

白ナス

白ナス

ヘタは緑色で、実が白い白ナス。
一般的なナスと変わらない調理法で食べられますが、皮が厚めで食感もしっかりしているため、煮物やうどんの具として使ってもいいでしょう。

ナスに含まれる栄養素

ナスは全体の90%以上が水分ですが、多くの栄養素を含んでいます。
中でも代表的なものは、次の3つです。

ナスに含まれる主な栄養素


  • ナスニン(ポリフェノールの一種)
  • カリウム
  • 食物繊維

ナスニンは、ナスの皮に含まれる色素成分であるポリフェノールの一種。
強い抗酸化作用があり、視力・視覚機能を正常に保ったり、眼精疲労をやわらげたりする効果が期待できます。

カリウムは塩分のとりすぎによるむくみや高血圧の予防効果が期待できるでしょう。
食物繊維は、腸内環境を整えて排便をスムーズにしたり、血中のコレステロールを低下させたりする働きがあります。

ナスの保存方法

ナスは暑さや湿度に強い一方、低温や乾燥には弱い食材です。水分量も多いため、保存には細心の注意を払うようにしてください。

ナスが少しだけ余ったり、大量にもらったりしたときは、一つずつきっちりとラップで包んでから保存袋に入れ、野菜室で保存します。
もう少し長めに保存したい場合は、食べやすい大きさにカットして保存袋に入れれば冷凍保存も可能です。

王道から地方ならではの品種まで、ナスを食べ比べてみよう

よくスーパーで見かけるナスですが、実は種類・品種が数多くあり、まったく異なる味を楽しめる野菜です。
栄養素も豊富に含まれていますので、さまざまな種類を味わって、お気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。

めいぶつチョイスでは、全国各地の生産者がこだわって栽培したナスなどの食材を新鮮な状態でお届けしています。産地直送ならではのみずみずしいナスを、ぜひお召し上がりください。