アジの旬を知ろう!主な種類や健康におすすめの理由を紹介

アジの旬

刺身はもちろん、焼いても良し、揚げても良しと、さまざまな調理法で味わえるアジ。
一年中出回っていて、比較的安価で手に入りやすい上、栄養価に優れているため、日本の食卓には欠かせない存在といえるでしょう。

そんな身近な存在のアジですが、いつ旬を迎えるのかご存じでしょうか。
ここでは、アジの旬や種類、味の特徴、おすすめの調理法について、フードコーディネーター/管理栄養士の清水加奈子さんに解説していただきます。

監修

フードコーディネーター兼管理栄養士の清水加奈子さん

清水加奈子
フードコーディネーター/管理栄養士

管理栄養士に加え、調理師、国際中医薬膳師の資格を持つ、フードに関するスペシャリスト。
食関連の企業サイトや雑誌の監修、レシピ開発を手掛けるほか、薬膳コンシェルジュ協会で講師を務めるなど、幅広く活躍中。

清水加奈子 公式サイト

アジの旬はいつ頃?

アジは一年を通してとれる魚ですが、一般的には夏が旬といわれています。
時期によって大きさが異なり、旬の6~8月頃のアジは小型~中型が主流で、それほど大きくはないものの、脂がのったジューシーな味わいが楽しめるのが特徴です。

秋以降になると大型のものが多くなってきますが、食べ応えがある半面、脂ののりや旨味は旬の時期に比べると若干劣ります。

また、春先のアジはまだ成長の途中で、「豆アジ」や「小アジ」と呼ばれるほど小さいものが多いです。
けれども、カラッと揚げるなどして骨ごと食べられるため、ほかの時期のアジよりカルシウムを多くとることができるでしょう。

アジ本来のおいしさを味わいたいなら、もちろん旬の時期は外せません。
ですが、旬を外した時期でも、南蛮漬けにしたり、フライにしたりなど、調理の仕方を工夫することでおいしく食べられますよ!

アジの種類とその特徴

アジにはさまざまな種類が存在しますが、食用として日本で一般的なアジといえば「マアジ」「シマアジ」「ムロアジ」の3種類です。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

マアジ

マアジ

アジの中で最もポピュラーな種類がマアジ。
長崎県や島根県で多く水揚げされており、スーパーなどの店頭で「アジ」として売られているものは、このマアジを指すことがほとんどです。

旨味と甘味が感じられ、刺身や塩焼き、揚げ物、干物と、どんな食べ方にも向いているのが魅力。
さまざまな大きさがあり、小さいものは「小アジ」や「豆アジ」といった表記で店頭に並び、唐揚げや南蛮漬けによく使われます。

また、マアジに似た「メアジ」という魚も、漁獲量の多い西日本以南ではよく食べられているようです。

シマアジ

シマアジ

黄色い横縞模様があることから名付けられたといわれるシマアジ。
マアジに比べて水揚げ量が少ないために希少性が高く、アジ類の中でも別格の存在です。

弾力のある身の食感と上品な甘味が魅力で、寿司店をはじめとする高級飲食店で主に提供されており、スーパーなどの店頭に並ぶことはほぼありません。

ムロアジ

ムロアジ

宮崎県や長崎県で主にとれるムロアジ。
ムロアジは傷みやすいため、水揚げされた場所の近くで生食される以外は、加工品に使われることがほとんどです。

マアジに比べてさっぱりとした味わいであることから、干物や削り節に加工されることが多く、伊豆諸島の特産品として知られる「くさや」は、ムロアジが使われます。

アジには体にいい栄養素がいっぱい!

アジには、サケやサバ、サンマといった、同じく日本の食卓になじみ深いほかの魚よりも低カロリーで、さまざまな栄養素がバランス良く含まれています。

ここからは、アジの主な栄養素と期待できる効能について、詳しく見ていきましょう。

たんぱく質:健康維持に欠かせない栄養素

アジには良質なたんぱく質が豊富。
たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、毛髪などの材料として使われるほか、ホルモン、代謝酵素、免疫物質としてさまざまな機能を担っています。
私たちの体の健康を維持するために欠かせない栄養素です。

ビタミンB群:集中力を高め、疲れにくくする

体内の代謝機能を助ける働きがあるビタミンB群。
アジには、糖質の代謝をサポートするビタミンB1、脂質の代謝に関わるビタミンB2、造血作用のあるビタミンB12、アルコールの代謝を促すナイアシンなどが多く含まれています。

不足すると疲れやすくなったり、集中力が低下してイライラしやすくなったりすることもあるので、しっかり摂取することが大切です。

ビタミンD:健康な骨の維持に必要

ビタミンDは、カルシウムの吸収を促して骨の成長を助けるなど、健康な骨を維持するために必要な栄養素。
積極的にとることで骨粗しょう症の予防にも役立ちます。

DHA・EPA:認知症、動脈硬化の予防

健康な体を保つために大切な不飽和脂肪酸のひとつである、「オメガ3脂肪酸」に属するDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)。
青魚に多いとされ、もちろんアジにも豊富に含まれています。

DHAには脳の細胞を活性化し、脳の老化や認知症の予防・改善が期待できます。
一方、EPAは血流を改善して動脈硬化や脳卒中を予防したり、コレステロール値や血圧の上昇を抑えたりする働きがあります。

いずれも人間の体内で作り出すことがほぼできないため、食べ物から摂取する必要がある栄養素です。

旬のアジをおいしく食べる調理法は?

アジは刺身などの生食から焼き物、揚げ物まで、いろいろな食べ方ができる魚です。
とはいえ、時期や大きさ、種類によっては向き不向きがありますので、よりおいしく食べるためには、そのあたりも意識するのが◎。

ここでは、おすすめの調理法をご紹介します。

刺身

アジの刺身

新鮮なアジが手に入ったら、まずは刺身で食べるのがおすすめ。

アジに含まれるDHAやEPAは、焼き網などで焼くと流出してしまうため、これらの栄養素を効率的にとるには、刺身で食べる生食がベストです。

アジの中でもシマアジの刺身は絶品!
旬は6〜8月頃ですが、産卵期を控えた秋口のシマアジは脂がのっています。

このほか、赤身特有のにおいが気になる場合は酢で締めたり、香味野菜や味噌と合わせてなめろうにしたりするのもいいでしょう。

塩焼き

アジの塩焼き

アジをシンプルに味わうには、刺身のほかに塩焼きもおすすめ。
脂がのったアジの塩焼きの「パリッとした皮とジューシーな身がたまらない!」という人も多いでしょう。

マアジに比べて味がさっぱりとしているムロアジは、塩焼きをはじめとする焼き物に向いています。

フライ

アジフライ

新鮮なアジは、フライにしても身がふっくらとしていておいしいです。

また、小アジや豆アジと呼ばれる小さなサイズのアジは、唐揚げや南蛮漬けにするのがおすすめ。
骨ごと食べられるため、カルシウムもしっかり摂取できます。

ただし、フライにするとカロリーや脂質が高くなるため、食べすぎないように注意しましょう。

おいしいアジの見極め方

新鮮なアジを見極めるには、次のような点に注目してください。

新鮮なアジの特徴


  • 目とエラに出血がない
  • 体が青く光り、ハリがある
  • ぜいご(尾の付け根にあるトゲ状のうろこ)や体のうろこがはっきり見える

これらの特徴は鮮度が良いものほど顕著で、鮮度が落ちるにつれて見られなくなります。
新鮮なアジを手に入れたら早めに食べたり、適切な方法で保存したりすることが大切です。

旬の時期以外でも楽しめるアジは、新鮮なうちに食べよう!

昔から私たちの食生活に欠かせないアジ。
旬にあたる初夏のアジにこそ旨味が詰まっていますが、旬以外の時期でも種類によって特有の楽しみ方があることがわかりました。
カロリーは控えめで栄養が豊富なので、健康な体づくりの意味でも積極的に食べるようにしたいですね。

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