鍋好き料理研究家がおすすめするご当地鍋16選
日本各地には、誰もが知る定番の鍋や、知る人ぞ知る珍しい鍋料理が数多くあります。
ここでは、Shieさんおすすめのご当地鍋16選を紹介します。
1. レモン鍋(広島県)
薄切りにしたレモンを皮ごと敷き詰めた姿が美しいレモン鍋。
具材やスープのコクをレモンの酸味がキリっと引き締め、さわやかな味わいに仕上げてくれます。
具材は豚肉や鶏肉などの肉類のほか、魚介類もよく合います。
酸っぱすぎるのが苦手な方は、加熱するとレモンの酸味がまろやかになるため、少し煮込んでみてください。
逆に酸味が好きな方は、最後に生のレモンを絞り入れて「追いレモン」するのもおすすめです。
2. ジビエ鍋(長崎県ほか)
ジビエ鍋は、イノシシやシカといった野生鳥獣肉であるジビエを、野菜といっしょに煮込んで食べる鍋料理です。
新鮮で質の良いジビエを選べば、くさみはほとんど気にならず、味わい深い肉の旨みを楽しめます。
特に、イノシシを使った牡丹鍋は、豚肉のような味わいで食べやすい上、高たんぱくで鉄分やビタミンB群などが豊富なため、ジビエが初めての方にもおすすめです。
ジビエは昆布や味噌をきかせた出汁で煮て、肉の旨みが溶け出したスープも残さず味わってください。
いっしょに煮込む野菜は、春菊やネギなど、薬味として使われるものがよく合います。
3. はりはり鍋(大阪府)
はりはり鍋は、かつて庶民に親しまれていたクジラ肉と、関西で盛んに栽培されてきた水菜を組み合わせて食べられていた鍋料理です。
近年では、手に入りにくくなったクジラ肉の代わりに豚肉や鶏肉を使い、鰹節などで取った出汁にたっぷりの水菜を加えて食べるのが一般的になっています。
ポイントは、「はりはり」の名前の由来ともいわれる水菜のシャキシャキとした食感を楽しむために、水分をよく含んだ新鮮な水菜を選ぶことです。
冷水に浸してから調理すると、さらにシャキッとした食感を楽しめます。
4. 水炊き(福岡県)
水炊きは、旨みたっぷりの鶏肉をじっくりと煮込んだスープが絶品のご当地鍋です。
白菜やキノコ、水菜などの野菜をいっしょに煮込むことで、シンプルながらも深いコクが楽しめます。
さらに旨みを濃厚にしたい場合は、骨付きの肉を使うのがおすすめです。
骨付き肉をじっくりと煮込むことで、骨からゼラチンや旨み成分が溶け出し、白濁した味わい深いスープができます。
しめには、福岡らしく細めのラーメンがおすすめです。
5. うに鍋(東北地方、北海道)
うに鍋は、地元の名産物をPRするために「うにしゃぶ」が開発された岩手県釜石市をはじめ、東北地方や北海道でよく食べられています。
出汁にうにと生クリームを溶かしてスープを作り、豚肉や白身魚、長ネギ、水菜などを煮込んで食べるのが一般的です。スープの濃さは、うにの量で調節します。
肉や野菜を食べ終わった後は、残ったスープにパスタなどの麺類を入れたり雑炊にしたりして、濃厚なスープを最後まで味わいます。
6. 海鮮しゃぶしゃぶ(北海道、日本海沿岸地方)
海鮮しゃぶしゃぶは、新鮮な海の幸が豊富に取れる北海道や、富山県・石川県・福井県などの日本海沿岸地方で広く親しまれている鍋料理。
魚本来の味を引き立てるため、昆布などでさっぱりとした出汁を取り、薄切りにしたサーモンや鯛、ブリ、タコなどの魚介類と野菜をさっと湯にくぐらせていただきます。
お湯にさっと通すことで、刺身や煮魚では味わえない「外はしっかり、中はレア」な食感を楽しめます。
海鮮しゃぶしゃぶは、完全に火を通さず半生の状態で食べるため、刺身としても食べられる新鮮な魚介類を使うようにしてください。
7. そずり鍋(岡山県)
そずり鍋は、岡山県津山市で古くから親しまれている鍋料理です。
醤油ベースの甘辛い割り下に牛肉を入れ、ごぼうやニラなどの野菜と豆腐をいっしょに煮込みます。
牛の骨から削いだ肉を使うのが特徴で、「削る」という意味を持つ津山の方言「そずる」から、この名がつきました。
牛肉は煮込むことでトロトロになり、口の中で溶けるようなやわらかさに仕上がります。
濃厚な見た目に反してしつこさがなく、何杯でもおかわりしたくなる味わいです。
8. 鴨鍋(滋賀県)
鴨鍋に使われる鴨肉は歯ごたえがあり、噛むほどに肉のコクと脂の甘味が口の中に広がります。
特によく食べられている合鴨肉はクセが少なく柔らかいため、初めての方にとっても食べやすい肉です。
赤身の多いロース肉と脂身の多いモモ肉とでは食感や味わいが異なるので、ぜひ食べ比べてみてください。
鴨鍋は、シンプルに昆布や野菜の出汁で調理することで、合鴨肉の味が一層引き立ちます。
具材には、春菊や長ネギのほか、しいたけやまいたけなどのキノコ類もよく合います。
9. だご汁(熊本県、大分県)
だご汁は、小麦粉を水で練ってちぎった団子と、ごぼうや里芋などの根菜を煮込んで食べる、熊本県や大分県で定番の鍋料理です。
熊本県では「団子」を「だご」と呼ぶことから、「だご汁」と名付けられたといわれています。
スープは、煮干しや干ししいたけで取った出汁に、九州でよく使われる麦味噌や白味噌を溶かし、醤油で味を調えます。
一杯で野菜と主食がとれる、栄養満点の鍋料理です。
10. 石狩鍋(北海道)
石狩鍋は、鮭の産地として知られる石狩川が流れる北海道石狩町で生まれた鍋料理。
ぶつ切りにした鮭の身やあら、野菜を昆布出汁に入れてじっくりと煮込み、味噌で味を調えるのが特徴です。
濃厚な汁をまとった鮭や野菜を熱々のまま口に運ぶと、体がぽかぽかと温まります。
野菜はキャベツやタマネギなど、甘味のあるものがよく合います。
最後にバターを加えると、さらにコクが増して一層おいしくなるので試してみてください。
11. 炊き餃子(福岡県)
炊き餃子は、豚骨や鶏ガラを長時間煮込んだスープに、厚めの皮で包んだ餃子を入れて煮込む鍋料理。
餃子の餡と濃厚なスープが絡み合い、皮のもちもちとした食感が楽しめる、絶妙なコンビネーションの鍋です。
柚子胡椒や辛子味噌などの薬味を添えると、さらにおいしくいただけます。
餃子といっしょに入れる野菜はキャベツやニラ、もやしなどが定番ですが、ごぼうやキノコを加えることもあります。
しめには、ちゃんぽん麺やラーメンがぴったりです。
12. 牡蠣の土手鍋(広島県)
牡蠣の土手鍋は、牡蠣の養殖で有名な広島県で古くから食べられている鍋料理。
白味噌と赤味噌、酒、みりん、砂糖を練り合わせて土鍋のふちに塗り、具材を煮込んだ出汁に溶かしながら好みの味に調える、独特の食べ方が特徴です。
白菜やキノコ、糸こんにゃく、豆腐などの具材を出汁で煮込み、最後に牡蠣を加えてさっと煮たら、味噌の土手を崩しながらいただきます。
スープには牡蠣の旨みと栄養がたっぷりと溶け出しているので、しめには麺類やごはんを入れて最後まで味わうのがおすすめです。
13. 桜鍋(東京都)
桜鍋は、馬肉を使った鍋料理で、東京都を中心に親しまれています。
「桜」という名前は、馬肉が美しい桜色をしていることに由来します。
馬肉は低脂肪・高たんぱくで鉄分が豊富なため、美容や健康に気を遣っている方におすすめの食材です。
東京都では、味噌や醤油をベースにした割り下で馬肉を煮込み、ネギやごぼう、豆腐などの具材と一緒にいただくスタイルが一般的。
馬肉の赤身は煮込みすぎると硬くなるため、さっと火を通して食べるのがポイントです。
脂身はじっくりと煮込んで、脂の旨みをスープに溶け込ませながら味わいます。
14. たけのこ汁(長野県、新潟県)
たけのこ汁は、長野県と新潟県で食べられている、根曲がり竹を使った味噌汁のような鍋料理。
根曲がり竹はチシマザサという種類の竹の新芽で、やわらかくてえぐみが少なく、食べやすいのが特徴です。
たけのこ汁で特徴的なのは、サバ缶を使うこと。
たけのこのシャキシャキとした食感と出汁の風味にサバ缶のコクと旨みが加わることで、味わい深いスープになります。
家庭によっては玉ねぎやにんじん、油揚げ、豆腐、溶き卵などを入れることもあります。
15. いもたき(愛媛県)
いもたきは、里芋をメインに、鶏肉やこんにゃく、しいたけなどを醤油ベースの甘辛いスープで煮込んだ鍋料理。
里芋のねっとりとした食感と、具材から出る旨みが溶け込んだスープが合わさった、優しい味わいが魅力です。
いもたきは、秋の風物詩として河川敷や野外で大きな鍋を囲んで楽しまれています。
家族や友人が集まり、鍋を囲みながら月を眺めて、賑やかに味わうのが醍醐味です。
16. おでん(日本各地)
おでんは日本各地にあり、地域ごとに特色がある料理です。
具材にも地域性があり、関東ではちくわぶ、大阪では牛すじ、北海道や東北地方では海の幸が定番。
味付けも、名古屋では八丁味噌で甘辛く仕上げますが、京都では淡口醤油でやさしい味付けにするのが一般的です。
大根や玉子、こんにゃく、練りものといった全国共通の具材に、日本各地の独特な具材を加えて、いつもとはひと味違うおでんを楽しんでみてください。
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