代表的なみかんの種類20選
さっそく、代表的なみかん・柑橘類を20種類ご紹介します。
それぞれの特徴や主な産地、旬を見ていきましょう。
温州みかん(うんしゅうみかん)
日本で最もポピュラーなみかんで、寒い時期におなじみなのが温州みかんです。
主に和歌山県や静岡県、愛媛県などで生産され、収穫時期によって呼び名が異なるほか、味わいなど特徴もさまざまなので、食べ比べてみるのもいいでしょう。
いずれも外皮・薄皮ともに薄いので、手でむきやすく食べやすいみかんです。
温州みかんの旬と味わい
呼び名 | 旬 | 味 |
---|---|---|
極早生みかん (ごくわせみかん) |
9月中旬~10月下旬 | 少し酸味が強め あっさりとした甘味 |
早生みかん (わせみかん) |
11月初旬~11月下旬 | 甘味と酸味のバランスが良い |
中生みかん (なかてみかん) |
11月下旬~12月中旬 | 早生みかんとほぼ同じ |
晩生みかん (おくてみかん) |
12月中旬~3月頃 | 皮が厚く、甘みが強い |
伊予柑(いよかん)
愛媛県松山市を中心に栽培されている伊予柑(いよかん)。
「伊予」とは愛媛県の昔の呼び名で、生産が盛んだったことからこの名前がつけられました。
爽やかな甘酸っぱさが魅力で、大粒の果肉はジューシー。
外皮は厚いものの、手でむけるものが多く、食べやすいのも魅力です。
11月の終わり頃から出周りますが、最も出荷量が多いのは1~3月頃となります。
八朔(はっさく)
和歌山県で最も多く生産されており、1月中旬~4月頃に食べ頃を迎えるのが八朔(はっさく)。
皮が硬めで手ではむきづらいため、ナイフで外皮をむき、手で薄皮をむいて食べるのが一般的です。
歯応えのある果肉は、甘味がしっかりありながらも、程良い酸味と独特のほのかな苦味があるのが特徴。
苦さが気になる場合は、マーマレードやシロップ漬けにしてもおいしくいただけます。
ポンカン
ポンカンは温暖な気候の土地で多く栽培されており、中でも愛媛県が生産量1位で、全体の3割以上を占めています。
収穫時期は11~12月ですが、その後、食べ頃になるまで追熟され、1~2月に出荷されます。
追熟されたポンカンは、まろやかで濃厚な甘味が際立ち、酸味はとても少ないです。
鮮やかなオレンジ色の外皮は手でむくことができ、薄皮もやわらかいため、皮のまま食べられます。
清見(きよみ)
「清見タンゴール」「清見オレンジ」とも呼ばれる清見(きよみ)は、国産初のタンゴール種(※)で、せとかや不知火(しらぬい)など、近年登場した新しい品種の親となっているみかんでもあります。
生産地は主に愛媛県と和歌山県。2月中旬から収穫・出荷され、4月頃までおいしく食べられます。
せとかは木になっている状態で越冬完熟されるため、甘味が濃厚で強く、果汁もたっぷり。まさに、みかん×オレンジといえる風味を持っています。
皮はオレンジと似ていて少し厚いため、ナイフで外皮をむいたほうがいいでしょう。
※タンゴール種:日本産のみかんと外国産のスイートオレンジを掛け合わせた交雑種を指す総称。
せとか
せとかは、日本のみかんである清見に、アメリカ生まれのみかん「アンコール」を掛け合わせ、さらに「マーコット」も交配して生まれた、比較的新しい品種。
愛媛県で多く生産され、2月上旬~4月初めに出荷されます。栽培にとても手間がかかることから生産量が少なく、希少価値の高いみかんです。
「柑橘の大トロ」とも呼ばれるほど甘味が強く、とろけるような果肉を持ちます。
外皮はとても薄いので手で簡単にむくことでき、薄皮もやわらかいため皮のまま食べてOK。
不知火(しらぬい)
不知火(しらぬい)は、清見とポンカンを掛け合わせて作られた品種で、果実の上部に出っ張りがあるのが特徴。
中でも糖度13.0度以上、酸度1.0度以下であることなど、一定の基準を満たしたものは「デコポン」と呼ばれます(※)。
熊本県や愛媛県で盛んに生産されており、収穫時期は1月末~2月上旬。
収穫後にしばらく貯蔵して追熟させ、2月中旬~4月上旬に出荷されます。
清見とポンカンの特徴を併せ持つ、甘味が濃厚でジューシーなみかんで、酸味は控えめ。
外皮はやや厚いですが手でもむきやすく、薄皮はやわらかいのでそのまま食べられます。
※デコポン:熊本県果実農業協同組合連合会の登録商標で、日本園芸農業協同組合連合会傘下の農業団体から出荷され、糖度13.0度以上・酸度1.0度以下という基準を満たしたもののみをデコポンと定義している。
はるみ
はるみも、不知火と同じく清見とポンカンの交配種で、主に広島県や愛媛県、和歌山県などで栽培されています。
果汁が多く、オレンジのような甘さと爽やかな風味が魅力。
温州みかんのように、外皮・薄皮ともにやわらかくてむきやすく、種が少ないので手軽に食べられます。
2月~4月中旬頃まで出荷されますが、はるみは栽培が難しいといわれており、生産量も市場に出回る量も少ないのが現状。
運良く見つけられたら、手に入れることをおすすめします。
甘夏(あまなつ)
甘夏(あまなつ)の元は夏みかんですが、夏みかんよりも色付くのが早く、旬は3~6月と長く楽しめます。
また、夏みかんより甘味が強く、酸味は少なめで、程良い甘酸っぱさに加えてほろ苦さも感じられます。
果肉の食感が良いため、サラダのトッピングとして使われることが多いのも特徴です。
外皮と薄皮は固めなので、ナイフで外皮をむき、手で薄皮をむいて、果肉だけを食べるのがおすすめ。
種も多めです。
日向夏(ひゅうがなつ)
日向夏(ひゅうがなつ)は、主に宮崎県で多く生産されますが、次いで生産量の多い高知県では「土佐小夏」「小夏みかん」、静岡県では「ニューサマーオレンジ」として流通しています。
外皮の内側にある、綿のような白皮部分に甘味があり、白皮を残して果肉といっしょに食べると、酸味と甘味のバランスが絶妙な味わいを楽しめる珍しい品種。
外皮をむく際は、リンゴの皮のようにナイフで黄色い外皮部だけをむくのがおすすめです。
1月頃から出荷されますが、最も多く出回るのは3~4月頃。
露地栽培の日向夏は種がありますが、ハウス栽培では種なしのものが多くなります。
はるか
日向夏の種から自然に生まれたのが、はるかです。
外皮がレモンのように黄色く、ゴツゴツとしているため一見酸っぱそうですが、実は酸味が少なく、爽やかで品の良い甘さがあります。
愛媛県や広島県、長崎県が主な産地で、旬は2~3月。
外皮が厚いため、グレープフルーツのように半分に切ってスプーンですくって食べたり、ナイフでリンゴの皮のようにむき、果実をカットして食べたりするのがおすすめです。
河内晩柑(かわちばんか)
河内晩柑(かわちばんかん)はグレープフルーツに似た見た目のため、「和製グレープフルーツ」とも呼ばれています。
しかし、グレープフルーツほど苦味はなく、さっぱりとした酸味と甘味を楽しめるみかんです。
河内晩柑という名前の由来である、熊本県河内町で偶然発見された文旦が元の品種で、栽培される県や農協、生産者によって「ジューシーオレンジ」「愛南ゴールド」「美生柑(みしょうかん)」などさまざまな名称になるのが特徴。
3~5月にかけて収穫され、低温貯蔵を経て4月以降に出荷されるもののほか、「木成り栽培」といって実がなってからも樹上に置いたまま完熟させる方法をとり、5~8月頃まで味わえるものもあります。
ネーブルオレンジ
ネーブルオレンジは、国産のほかに輸入品もあり、旬も異なります。
冬時期に収穫される品種で、輸入ものは南半球のオーストラリアと北半球のアメリカ産が主のため、ほぼ通年手に入りますが、国産は2~3月が最盛期。
広島県や和歌山県、静岡県で多く栽培され、最も国内生産量の多いオレンジです。
華やかな香りがあり、甘味・酸味ともに強くて果汁もたっぷり。
薄皮はやわらかいのでそのまま食べられるほか、種はほとんどないため、お子さんも食べやすいでしょう。
スイートスプリング
スイートスプリングは、八朔と上田温州を掛け合わせてできた日本生まれの品種。
主な産地は熊本県や宮崎県など九州地方が中心ですが、栽培が難しく、生産量が少ないので希少なみかんです。
市場に出回るのは11月下旬~2月頃まで。
収穫が始まる頃は外皮が青く、時期が進むにつれて黄色に、さらにだいだい色に変化していきます。
ただ、外皮が青い時期でも果実はオレンジ色で酸味や苦味が少なく、すっきりとした甘さが楽しめるのが特徴です。
あすみ
あすみは、興津46号(スイートスプリング×トロビタオレンジ)とはるみの交配によって生まれ、上田温州や八朔、清見、ポンカンなど、さまざまな柑橘を祖とするみかんです。
それらの柑橘の特徴を持ち合わせており、糖度が高くて程良い酸味があって、芳醇な香りも高い評価を得ています。
見た目は温州みかんに似ていて、手でむくこともできますが、やや大変かもしれません。ただし、薄皮は薄いので袋のまま食べられます。
食べ頃は1月下旬~2月上旬。
長崎県や香川県などで生産されていますが、2014年に品種登録されたばかりとあって、まだあまり市場には出回っていません。
甘平(かんぺい)
甘平(かんぺい)は、西之香(にしのかおり)にポンカンを掛け合わせたみかんで、2007年に品種登録されました。
愛媛県の品種のため、愛媛県内でしか栽培することができません。
1月下旬から収穫が始まり、食べ頃は2月上旬~下旬。
外皮・薄皮とも薄くてやわらかく、手で外皮をむいてそのまま食べられる手軽さに加え、果汁が多くて甘味や食感の良さが際立っています。種もほとんどありません。
甘平の中でも、糖度13.0度以上などの一定の条件をクリアした最高級ランクのものは、「愛媛Queenスプラッシュ」として販売されています。
はれひめ
清見とオセオラオレンジを掛け合わせ、さらに温州みかんを交配したのがはれひめです。
掛け合わせからイメージできるとおり、オレンジと温州みかんのあいだといえる見た目をしています。
12~1月に出回る品種で、糖度は10.0度程とそれほど高くありませんが、酸味が少ないため、上品な甘さが楽しめます。
生産量トップの愛媛県では、糖度12.0度以上・酸度1.0%以下など、一定の基準をクリアしたものを「瀬戸の晴れ姫」というブランド名で販売しています。
レモン
実は、レモンはミカン科ミカン属の柑橘。
酸味が強く香りも豊かで、美容・健康に良いビタミンCがたっぷり含まれており、スイーツや料理・飲み物のアクセントとして幅広く使われています。
輸入品、国産品ともに流通しており、国内では広島県や愛媛県などが主な産地。
輸入品は通年で手に入りますが、国産のレモンは10~5月にかけて収穫されます。
紅まどんな(べにまどんな)
紅まどんな(べにまどんな)は愛媛県のオリジナル品種で、JA全農えひめの登録商標。
甘平と同じく愛媛県内でしか栽培することができない品種ですが、同じものでも流通規格をクリアせずに販売されているものがあり、それらは「◯◯まどんな」のように別の商品名がつけられています。
収穫時期は、11月下旬~12月下旬。
水分量がとても多くて甘味が強く、「ゼリーのよう」といわれる、プルプルした食感が魅力です。
外皮と薄皮は手でむきづらいため、包丁でくし切りにカットするのがおすすめです。薄皮もいっしょに食べられます。
天草(あまくさ)
清見と興津早生みかん(おきつわせみかん)を掛け合わせたものに、ページオレンジを交配してできたのが天草(あまくさ)です。
長崎県で生まれた品種ですが、主な産地は愛媛県で、12月下旬~2月に出回ります。
オレンジに似た見た目で、果肉はやわらかく、甘味が濃厚で酸味が少ないのが特徴。
外皮・薄皮ともに薄いため、包丁でくし切りにして食べるといいでしょう。
さまざまな品種のみかんを食べ比べてみましょう
ここでは20種類に厳選してご紹介しましたが、みかんにはとても多くの品種があり、それぞれ味わいや旬が異なります。
新しい品種もどんどん生まれているため、本記事を参考に、ぜひお気に入りのみかんを見つけてください。
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