きのこの種類はどれくらいある?
現在、日本にきのこが全部で何種類あるのかは明らかになっていませんが、6,000~8,000種類のきのこが存在するといわれています。
きのこは今も謎が多く、知られていないことが多いのです。
なお、食用とされているきのこは現在約100種類あり、食べると食中毒などの害があるものは約200種類あるといわれています。
自生しているきのこが食べられる種類かどうかを正確に判別することは、非常に難しいところ。
そのため、自生しているきのこを無闇に食べることは、避けてください。
日本で手に入りやすいきのこ10種の特徴
現在、日本で食品として一般に流通しているきのこは10種類程。
ここでは、きのこの種類別に、特徴やおすすめの調理方法などをご紹介します。
しいたけ
しいたけは、日本で栽培されるきのこの代表種で、ビタミンDやミネラル、食物繊維が豊富。
水分が豊富な生しいたけは、やわらかい食感を味わえるバター炒めや丸焼きなどがぴったりです。
また、干ししいたけは、生しいたけにはないうま味成分「グアニル酸」が含まれているので、煮物や汁物などに使うのが◎。
ぶなしめじ
しっとりとした食感でほんのり甘味のあるぶなしめじは、肉料理の付け合わせや汁物、煮物など、幅広いレシピに使われるきのこです。
年間を通じて価格が安く、味に癖がないため、きのこ類の中でも使い勝手が良いといえます。
栄養面では、低カロリーで食物繊維やカリウム、ビタミンDなどのほか、うま味成分のグルタミン酸も含まれています。
また、「白色ぶなしめじ」と呼ばれるカサ部分が白い品種もあり、こちらはより甘味が強いのが特徴です。
まいたけ
まいたけはシャキシャキとした食感があり、加熱しても歯応えが損なわれにくいです。
天ぷらや唐揚げにしてジューシーな食感を楽しんだり、炊き込みご飯にしたりすると旨みが出ておいしく食べられます。
また、まいたけにはプロテアーゼというたんぱく質分解酵素が含まれているため、肉とまいたけを漬け込んで調理すれば、肉のたんぱく質を分解してやわらかくする効果も。
きくらげ
木の耳を思わせるヒラヒラとした形できくらげ。
日本国内で流通するものは、そのほとんどが「あらげきくらげ(荒毛きくらげ)」という種類です。
生きくらげは、弾力のある食感が特徴で、食物繊維やビタミンDが豊富。
一方、干しきくらげはコリコリとした歯応えがあり、中華料理やとんこつラーメンなどに用いられます。
生きくらげ・干しきくらげのいずれも加熱調理することが大切なため、サラダや和え物などに使う際は必ず湯通しをしてください。
松茸
松茸は、アカマツの根元などに生える希少なきのこ。
食物繊維のほか、カリウムやビタミンDなどが含まれた、栄養価の高い秋の味覚です。
人工栽培の手法が確立されていないために、国産のものは高級食材として扱われています。
炭火焼きやお吸い物、炊き込みご飯など、松茸ならではの芳醇な香りを楽しむ食べ方が人気です。
マッシュルーム
マッシュルームは世界中で生産されているきのこで、癖がなく上品な風味があります。
日本ではホワイトマッシュルームのほか、ブラウンマッシュルームも出回っており、うま味成分のグアニル酸のほか、カリウムやビタミンB2の含有量も高いです。
アヒージョやホイル焼きといった加熱したメニューで使われることが多いですが、新鮮なマッシュルームは薄くスライスしてサラダに加えてもおいしく食べられます。
エリンギ
平らなカサと白く太い柄が特徴で、独特の歯応えがあるエリンギ。
高たんぱく・低カロリーで食物繊維が豊富なほか、ビタミンB群やカリウム、そしてリノール酸といった必須脂肪酸も含まれていて栄養価が高いです。
エリンギは繊維に沿って縦にカットすると、調理の際に味が染み込みやすくなりますが、輪切りにしてもまた違った食感を楽しめます。
なめこ
なめこの大きな特徴は、ほかのきのこにはない独特のぬめり。このぬめりの主成分は、ムチンとペクチンという成分です。
ムチンは粘膜の保護やたんぱく質の吸収を促進する効果が、ペクチンは腸内環境を整える働きが期待できます。
なめこは味噌汁の具材にしたり、大根おろし・ポン酢と和えてなめこおろしにしたりする調理方法がありますが、カサの大きななめこは天ぷらにするのもおすすめです。
えのきたけ
えのきたけは、白く細長いビジュアルとシャキシャキとした食感を持つきのこ。
きのこ類の中でもトップクラスのビタミンB1含有量で、疲労回復効果が期待できます。
えのきたけは火の通りが早いため、食感を残すには軽く炒めるだけでOK。
一方、じっくり煮るととろみが出るため、鍋の定番具材としても人気です。
近年流通している茶色い品種のえのきたけは、一般的な白いものよりも軸が太くてぬめりがあり、風味も強くあります。
ひらたけ
その名のとおりカサの部分が平たく、カサ同士が重なり合うように群生して成長するひらたけ。
肉厚で歯切れの良い食感と淡い香りを持ち、加熱するとジューシーさが増します。
栄養面では、ビタミンB群や食物繊維のほか、カリウムや葉酸なども豊富に含みます。
和食はもちろん、オリーブオイルとの相性も良いため、ソテーやパスタなどの洋食にもぴったりです。
きのこの栽培方法
きのこの栽培方法は、菌床栽培と原木栽培の2種類に大きく分けられます。
それぞれの特徴や、該当するきのこの種類は次のとおりです。
菌床栽培
菌床(きんしょう)栽培とは、瓶や袋に詰めたおが粉(おがくず)に、米ぬかなどを混ぜて固めた物質できのこを育成する人工的な手法。
現在流通しているきのこは、この栽培方法が主流となっています。
栽培期間が約3ヵ月~1年と短く、室内栽培のため年間を通じて収穫できるのがメリットです。
菌床栽培が可能なきのこ
・しいたけ
・えのきたけ
・ぶなしめじ
・なめこ
・まいたけ
・エリンギ
・マッシュルーム
原木栽培
原木(げんぼく)栽培は、穴を開けた原木に種菌を植え付け、林の中などで自然栽培する手法。
種菌を植え付ける樹木によって、栽培できるきのこの種類は異なり、栽培可能だとしても、適正かどうかの度合いは樹木ときのこの組み合わせによって変わってきます。
一定数のきのこを育成するためには重い原木をいくつも管理する必要があり、栽培期間が約2~3年と長くなりますが、菌床栽培のきのこと比べると食味や色味が良いといわれています。
原木栽培が可能なきのこ
・しいたけ
・なめこ
・ひらたけ
・まいたけ
・えのきたけ
・松茸
きのこは洗わないほうがおいしく食べられる?調理するポイント
きのこをよりおいしく食べるためにも、調理する際には次のような点に留意してください。
水で洗わない
きのこは水で洗うと風味が落ちてしまいます。
汚れやほこりを除去したい場合は、水を含ませたキッチンペーパーで拭き取ります。
塩を加えるのは最後にする
きのこの加熱中に塩を加えると水分と旨みが逃げてしまう上、かさが減って食感も損なわれます。
塩で味をととのえたい場合は、調理の最後に加えてください。
その日に使い切れない分は冷凍保存する
その日のうちに使い切れないきのこは、冷蔵保存では鮮度が落ちてしまうため冷凍保存がおすすめ。
冷凍しておいたきのこを加熱すると、酵素の働きによって旨みが増すともいわれています。
各種きのこの特徴を知って、いつものメニューをさらにおいしく
きのこは低カロリーで栄養豊富。風味や食感、調理方法のバリエーションも種類によってさまざまです。
今回ご紹介した特徴やおいしく調理するためのポイントを参考に、日々の献立にきのこをプラスしてみてはいかがでしょうか。
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