柿の種類は大きく4つある
柿の品種は、全部で1,000品種以上あるといわれており、大きく分けると完全甘柿、不完全甘柿、完全渋柿、不完全渋柿の4種類があります。まずはそれぞれの特徴を見ていきます。
完全甘柿
甘柿には、種が多く入ると渋味が抜ける品種と、種の有無や量に関わらず渋味が抜ける品種があります。
甘柿の中で、種の有無や量に関わらず渋味が抜ける品種を完全甘柿といいます。
完全甘柿は非常に甘味が強く、生でもおいしく食べることが可能です。
不完全甘柿
甘柿のうち、種の有無や量によって成熟時に渋味が残るものを不完全甘柿といいます。
種が多いと渋味が抜けて甘くなります。
表面に黒っぽい線があったり、皮の色が濃く鮮やかだったりする場合は、甘い柿であるサインです。
完全渋柿
渋柿の中で、種があっても渋味がなくならないものを完全渋柿といいます。
アルコールや炭酸ガスを使って渋抜きすると、程良い甘さに。
また、干し柿に加工すると渋味が抜けます。
不完全渋柿
渋柿のうち、種が入ると種の周辺だけ渋味が抜けるものを不完全渋柿といいます。
完全渋柿と同様に、渋抜きをしたり干し柿に加工したりすると渋味が抜けます。
完全甘柿の主な品種
甘味が強く、そのままおいしく食べられるとして人気の完全甘柿。
ここでは、代表的な3つの品種をご紹介します。
富有柿(ふゆうがき)
富有柿は、奈良県が主な産地で、日本国内での生産量が特に多い品種です。
皮につやがあり、上から見ると円形をしています。
果肉はやわらかくジューシーで、とろけるような食感と強い甘味を味わえます。
次郎柿(じろうがき)
次郎柿は、富有柿と並ぶ甘柿の代表的な品種で、主に愛知県で生産されています。
丸みのある四角形で、富有柿と比べると果肉が硬めで果汁は少なめ。
サクサクとした歯ごたえと、上品な甘さを楽しめる品種です。
太秋柿(たいしゅうがき)
太秋柿は、主に九州で生産されている品種です。果実が320g程度と、一般的な柿のサイズの約1.5倍あり、食べごたえは抜群です。
食感はナシのようにサクサクしており、果汁が非常に多く、甘さもしっかりとあります。
不完全甘柿の主な品種
不完全甘柿は、歯ごたえのある食感を楽しめる品種が豊富です。
ここでは、よく食べられている3つの品種をご紹介します。
西村早生柿(にしむらわせがき)
西村早生柿は、主に福岡県で生産されている早生品種で、9~10月頃に出回ります。
果肉の中の種が多いほど甘くなり、果肉にゴマ状の斑点が多く出ます。
さっぱりとした甘さがあり、少し硬めのシャリシャリとした食感も人気です。
禅師丸柿(ぜんじまるがき)
禅師丸柿は、日本最古の甘柿といわれる品種で、全国各地で生産されています。
渋味が抜けて糖度が上がると、果肉にゴマ状の黒い斑点が入ります。
果肉はやや硬めで、サクサクとした歯ざわりが魅力です。
筆柿(ふでがき)
筆柿は、主に愛知県で生産されている品種。
その名のとおり、果肉が筆の先のような形をしており、平均100g程度と小ぶりな柿です。
果肉に黒いゴマ状の斑点が入っているものは、コクのある濃厚な甘さを味わえます。
完全渋柿の主な品種
完全渋柿は、渋抜き済みの生食用や、干し柿として加工されたものが流通しています。
ここでは、人気の3品種をご紹介します。
愛宕柿(あたごがき)
愛宕柿は、主に愛媛県で生産されている渋柿で、縦長くて先端が少しとがった形が特徴的です。
古くから干し柿用として栽培されてきた品種ですが、現在は渋抜きの技術が発展したため、生で食べられる愛宕柿も流通しています。
渋抜きした愛宕柿は適度な硬さと甘味があり、さっぱりとした味わいです。
西条柿(さいじょうがき)
西条柿は広島県原産の品種で、表面に4本の溝があるユニークな形をしています。
西条柿の糖度は一般的な柿よりも高く、渋抜きをしたものは果肉の中心部がゼリー状になるため、とろけるような甘味があります。
蜂屋柿(はちやがき)
蜂屋柿は、岐阜県原産の品種です。
蜂屋柿を使った干し柿は「堂上蜂屋柿」として知られ、古くから朝廷や幕府へ献上されてきました。
干し柿にすると、はちみつのように濃厚でありながら自然な甘味で、とろけるような食感が魅力です。
不完全渋柿の主な品種
不完全渋柿は、干し柿やあんぽ柿に加工されて流通しているのが一般的です。
ここでは、代表的な2品種をご紹介します。
平核無柿(ひらたねなしかき)
平核無柿は新潟県原産の品種です。「たねなし柿」「庄内柿」「おけさ柿」などとも呼ばれています。
果肉はやわらかく、上品な甘さとたっぷりの果汁を楽しめます。
名前のとおり種がないので、手軽に食べられる品種です。
刀根早生柿(とねわせがき)
刀根早生柿は、奈良県原産の品種で、四角い形と鮮やかなオレンジ色の見た目が特徴です。
果肉はやや硬く、果汁がたっぷり。渋抜きするとまろやかな甘さが楽しめます。
種がないので、食べやすいのも魅力です。
渋い柿のおいしい食べ方
渋い柿にあたってしまっても、柿をおいしく食べる方法があります。
次のような方法を試してみてください。
焼酎に漬ける
渋い柿にあたったら、焼酎につけてみてください。
小さいボウルや茶碗などに焼酎大さじ3~4を入れ、柿のヘタ部分を下にして、ヘタを焼酎にさっとつけます。
その柿をポリ袋に入れ、口を輪ゴムで縛り、そのまま1週間ほど置くと渋味が抜けます。
冷凍する
皮をむいた柿をラップで包み、冷凍庫で5日ほど保管すると渋味が抜けます。
冷凍庫から取り出した柿は、凍ったまま食べてシャーベットのような食感を楽しんでもいいですし、解凍して柔らかい状態に戻してもおいしく食べられます。
ドライアイスを使う
ドライアイスを使うのも有効です。
新聞紙で包んだドライアイスを柿といっしょにポリ袋に入れます。
しっかりと空気を抜いて口を縛り、日陰に4日ほど置くと渋味が抜けます。
リンゴといっしょに熟させる
リンゴからは、果物の熟成を促す働きを持つ「エチレンガス」が放出されます。
このエチレンガスを利用して、柿を甘くすることが可能です。
空気穴を開けたポリ袋に柿とリンゴを入れて、1週間ほど置くだけで柿が熟し、甘くなります。
柿とリンゴの個数の割合は1:5ほどが目安です。
干し柿にする
渋い柿は干し柿にするのもおすすめです。
皮をむいた渋柿2個を1セットにして、それぞれのヘタに紐を結び付けます。
沸騰したお湯に柿を10秒間漬けて殺菌したら、風通しのよい場所で干します。
1週間ほど干して硬くなってきたら、3日に1回手で軽く揉んでください。
2〜3週間ほど経てば、干し柿の完成です。
柿の適切な保存方法は?
柿は常温や冷蔵、冷凍といった方法で保存することができます。
常温または冷蔵で保存する場合は、柿のヘタを乾燥させないことがポイントです。
ここでは、柿の上手な保存方法をご紹介します。
常温で保存
熟していない硬い柿は、常温で保存するのがおすすめです。
ヘタの乾燥を防ぐため、ヘタを下にしてポリ袋へ入れ、風通しのよい場所で保存してください。
冷蔵保存
冷蔵保存する場合は、ヘタの大きさに合わせてカットしたキッチンペーパーを水で濡らし、それをヘタに被せてラップで包みます。
乾燥を防ぐために、ヘタを下にしてポリ袋へ入れて冷蔵庫で保存してください。
冷凍保存
冷凍保存する場合は、柿を丸ごとラップに包み、フリーザーバッグに入れて冷凍庫に入れます。
食べる際は自然解凍し、少し柔らかくなったらスプーンですくってシャーベットのように食べるのがおすすめです。
多彩な味や食感の柿を比べて楽しもう
柿には多様な種類や品種があり、甘さや食感などもさまざまです。
また、柿は生で食べるだけでなく、凍らせてシャーベットのように食べたり、干し柿にしたりと、食べ方も豊富にあります。
さまざまな品種を食べ比べて、お気に入りの柿を見つけてください。
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