ズワイガニの種類にはどのようなものがある?
一般的に、ズワイガニの名称で流通しているものは「本ズワイガニ」とも呼ばれており、クモガニ科のズワイガニ属にあたります。
ズワイガニ属のカニは、ズワイガニ(本ズワイガニ)を含めて計5種類。
北極海のアラスカ沿岸域や北大西洋のカナダ沿岸域、北太平洋の北米沿岸域のほか、日本海やオホーツク海、ベーリンク海など寒冷な地域に広く生息しています。
ズワイガニ属
- ズワイガニ(本ズワイガニ)
- ベニズワイガニ
- オオズワイガニ
- ミゾズワイガニ
- トゲズワイガニ
ここでは、日本近海で漁獲されている3種類「ズワイガニ」「ベニズワイガニ」「オオズワイガニ」に絞って、その特徴を見ていきます。
ズワイガニ(本ズワイガニ)
ズワイガニは、北海道のオホーツク海や日本海側のほか、島根県や鳥取県の沿岸部、富山湾、能登半島周辺、若狭湾周辺が主な漁獲地。
漁場の環境によって味わいが異なることから各地でブランド化され、オリジナルの名前がつけられているものが多いのも特徴です。
主なブランドズワイガニは、次のようなものがあります。
加能ガニ(かのうがに)
石川県で漁獲されたオスのズワイガニが、加賀と能登から1文字ずつ取って名付けられた加能ガニ。
漁期は11~3月です。
爪までぎっしり詰まっている身はしっとりとした甘味があり、まずは茹でて何もつけずに食べるのがおすすめ。
また、鍋や雑炊にして、加能ガニの出汁を堪能するのも通な食べ方です。
香箱ガニ(こうばこがに)
加能ガニと同じく石川県でとれたメスのズワイガニを、香箱ガニと呼びます。
サイズは加能ガニの半分程で、猟期は11~12月です。
甘味の濃い身やカニ味噌に加え、珍味として知られる内子(甲羅の中にある未成熟な卵)、プチプチとした食感が楽しめる外子(おなかに抱いた成熟した卵)という、2種類の卵が食べられるのが魅力。
茹でて酢醤油で食べるのが定番のほか、味噌汁にしたり、内子・外子を醤油漬けにしたりするのも◎です。
松葉ガニ(まつばがに)
松葉ガニは、鳥取県や島根県などの山陰地方で水揚げされたオスのズワイガニ。
漁期は11~3月です。
プランクトンが豊富な山陰沖で育つため、旨みが凝縮した身は締まりが良くて弾力性があり、カニ味噌も濃厚な味わいが特徴。
茹でたり焼いたりしてもおいしいほか、味噌汁や炊き込みご飯、雑炊にしたり、新鮮なものなら刺身で食べられます。
越前ガニ(えちぜんがに)
福井県で水揚げされるオスのズワイガニである越前ガニは、2018年にカニの中では全国初となる農林水産省「地理的表示(GI)保護制度(※)」に登録されました。
漁期は11~3月。
漁場から港が近いので、水揚げされるとすぐに港へ運ばれ、常に新鮮なものが流通しているのが特徴です。
甘味があって締まった肉質の身がぎっしり詰まっており、コクのあるカニ味噌も人気があります。
また、福井県でとれるズワイガニのメスは「セイコガニ」と呼ばれ、こちらも内子と外子の味わいに定評があります。
※地理的表示(GI)保護制度:その地域ならではの自然的、人文的、社会的な要因の中で育まれてきた品質、社会的評価等の特性を有する産品の名称を、地域の知的財産として保護する制度。
間人ガニ(たいざがに)
京都の丹後半島にある、間人漁港で水揚げされるオスのズワイガニが間人ガニです。
ほかの日本海側の漁獲地と同じく漁期は11~3月となりますが、間人ガニは5隻の小型底引き網漁船でしか漁獲されないために流通量が少なく、その希少性から「幻のカニ」と呼ばれることも。
さらに、品質へのこだわりが厳しく、身の詰まりや大きさ、重さなどさまざまな基準をクリアしたものしか流通しないということもあり、なかなか手に入りにくいといえます。
漁場から港が近く、日帰り操業のため、より鮮度の良い状態で水揚げされるのも魅力。
鮮度の高い間人ガニは刺身で味わうのがおすすめです。
ほかにも、茹でてプリプリの身を楽しんだり、香りが豊かなカニ味噌に身を絡ませて食べたりしても絶品!
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ベニズワイガニ
ベニズワイガニは、主に北海道から鳥取県の日本海側で水揚げされ、地域によって禁漁期間が2~3ヵ月設けられていますが、そこを除けば年間を通じて安定的に漁獲されます。
生の状態のときは黄褐色であるズワイガニ(本ズワイガニ)と異なり、ベニズワイガニは元々鮮やかな赤色。
水揚げされるものの約9割は加工用ですが、生食用としても流通しており、中でも兵庫県の香住(かすみ)漁港で水揚げされる「香住ガニ」、富山県産の「高志(こし)の紅(べに)ガニ」といった、ブランド化されたベニズワイガニもあります。
ズワイガニ(本ズワイガニ)は漁期が短く漁獲量も少ないため、どうしても高価になりますが、年間を通して安定的にとれるベニズワイガニは、比較的安く手に入りやすいのが特徴。
手頃な価格でたくさん食べたい場合は、ベニズワイガニを選ぶのが◎です。
身はズワイガニほど詰まっていませんが、甘味はベニズワイガニのほうが強いといわれ、ジューシーさもあります。
特に、11~2月が最もおいしいとされているため、この期間に食べるのがおすすめ。
加熱すると甘味が引き立つため、茹でたり焼いたり、鍋にしたりするとよりおいしくいただけます。
オオズワイガニ
オオズワイガニは、ズワイガニ(本ズワイガニ)と見分けるのが難しいほど似ていますが、オオズワイガニのほうは甲羅が大きくて脚が太いほか、口の形からも見分けることができます。
日本では北海道の噴火湾や太平洋沿岸、北見沖で漁獲されますが、日本国内では漁獲量が少ないために流通せず、ロシアや北米からの輸入ものがほとんど。
しかし、詳しい理由はわかっていませんが、2023年に太平洋沿岸の日高海域を中心にオオズワイガニが大量に出現し、2024年現在も大量にとれるといいます。
本来、オオズワイガニのサイズは、その名のとおり大きい(脚を除く体長13~15cm程)ですが、現在とれるものはだいぶ小ぶり(7~8cm程)なため、通常よりも安価で販売されているそうです。
しかし、味は良く、水っぽさやくさみがなくて甘味と旨みがたっぷり。カニ味噌も濃厚です。
シンプルに茹でて食べるのもおすすめのほか、旨みがあるので鍋に入れても◎。
異なる特徴を持つ各種ズワイガニを味わおう
一口にズワイガニといっても、日本にはさまざまな種類のズワイガニが流通しています。
各地でブランド化が進む本ズワイガニは、漁獲地の環境によって味わいが異なるため、食べ比べてみるのも楽しいのではないでしょうか。
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