トマトに含まれる主な栄養素と主な効能
昔から、露地栽培のトマトが出回る時期は、体に良い食べ物が多く実り、病気になる人が少ないといわれています。
イタリアには、トマトの栄養価の高さを伝える「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど。
まずは、トマトにはどのような栄養素が含まれているのかを見ていきましょう。
リコピン:生活習慣病の予防、エイジンクケアに◎
リコピンは、トマトの赤色の生みの親。
植物に多く含まれる脂溶性色素カロテノイドのひとつで、赤く熟しているほどリコピンを多く含みます。
高い抗酸化作用があり、生活習慣病の予防や、美肌づくりをはじめとしたエイジングケアにもつながると考えられます。
リコピンは体内で作り出すことができないため、効率的にとれる完熟トマトは見逃せません。
ビタミンA(β-カロテン):皮膚・粘膜を健康に保つ
ビタミンAは、「レチノール」「レチナール」「レチノイン酸」の総称で、脂溶性のビタミンです。
動物性食品からはレチノールとして摂取されますが、トマトをはじめとした緑黄色野菜にはβ-カロテンとして含まれ、摂取したβ-カロテンがビタミンAに変換されます。
皮膚や粘膜を健康に保つほか、視力を正常に保つ働きもあります。
ビタミンC:コラーゲンの生成、風邪予防
美肌効果で知られるビタミンCは、軟骨や骨、皮膚などを作るコラーゲンの生成に使われる成分。
肌だけでなく、体のあらゆる組織の強化に力を発揮します。
鉄やカルシウムの吸収も促進するため、健康な体づくりには欠かせません。
また、体内に侵入した異物を体外に追い出す酵素を活性化したり、免疫力の向上を助けたりして、風邪やストレスに対する抵抗力を高めます。
食物繊維:太りにくい体づくり、コレステロール値を下げる
トマトは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を豊富に含みます。
水溶性食物繊維は糖質の吸収スピードを遅くし、食後の血糖値の急な上昇を抑制するため、太りにくい体づくりに役立つでしょう。
コレステロールを体外に排出してコレステロール値を下げる働きもあります。
また、不溶性食物繊維は、便のカサを増して排泄を促します。
ビタミンE:動脈硬化の進行を抑制
脂溶性ビタミンのビタミンEも、トマトに多く含まれる栄養素のひとつ。
リコピンやビタミンA、ビタミンCと同様に抗酸化作用があり、体内の脂質の酸化を防ぎます。
ビタミンEをしっかりとることで、増えすぎたLDLコレステロールが酸化して起こる動脈硬化の進行を抑制し、生活習慣病の予防が期待できます。
カリウム:血圧の安定、むくみの予防・改善
カリウムはミネラルの一種で、ナトリウムの排出を促進してとりすぎた塩分を調節します。
そのため、血圧を正常に保つほか、むくみの予防・改善にも期待できるのです。
また、神経の高ぶりを抑え、筋肉の正常な収縮を保つことにもかかわっています。
グルタミン酸:脳機能の活性化、ストレスへの抵抗力アップ
グルタミン酸は「うま味成分」としてもよく知られるアミノ酸の一種で、主に脳神経細胞のエネルギー源となるものです。
脳機能を活性化するほか、ストレスへの抵抗力を強くする作用などがあります。
GABA(ギャバ):精神を安定させる、中性脂肪を減らす
グルタミン酸から生成されるアミノ酸の一種であるGABA(γ-アミノ酪酸)は、脳内に存在する抑制性神経伝達物質。
興奮を鎮めて精神を安定させる役割があります。
ほかにも、血圧を正常に維持したりするほか、中性脂肪を減らす働きなどにも期待できます。
普通のトマトとミニトマト、栄養価はどちらが高い?
100g以上の大玉トマトや30〜60g程度の中玉トマトに対して、10〜20g程の小ぶりなトマトを「ミニトマト」といいます。
ミニトマトは包丁で切る必要がなく、ヘタを取ればすぐに食べられるので、何かと重宝しますよね。
では、普通のトマトとミニトマトとで、含まれる栄養素に違いはあるのでしょうか?
普通のトマトとミニトマトの栄養価比較(可食部100gあたり)
普通のトマト | ミニトマト | |
---|---|---|
カロリー | 20kcal | 30kcal |
β-カロテン | 540μg | 960μg |
ビタミンC | 15mg | 32mg |
食物繊維 | 1.0g | 1.4g |
ビタミンE | 0.9mg | 0.9mg |
カリウム | 210mg | 290mg |
グルタミン酸 | 240mg | 380mg |
上記のとおり、栄養素の含有量は、普通のトマトよりもミニトマトが総じて多めであることがわかります。
β-カロテンやビタミンCのように、2倍前後の差があるものも。
トマトの栄養を重視するなら、ミニトマトを上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
トマトの1日の摂取目安量は?
トマトは栄養面で非常に優れた食品ですが、食べすぎには注意が必要です。
トマトを食べすぎると体や内臓が冷えて胃腸の働きが悪くなり、消化不良を起こすことも考えられます。
1日に食べる量に明確な決まりはありませんが、中玉サイズのトマトなら1日2個、ミニトマトなら10〜15個程度にしておくことをおすすめします。
トマトの栄養を効率的にとる食べ方
続いては、トマトの豊富な栄養を余さず、なるべく多くとる食べ方をご紹介します。
皮ごと食べる
一般的に、野菜は皮と皮の近くに多くの栄養を含んでいます。
トマトの主要栄養素であるリコピンやβ-カロテン、食物繊維などが豊富に含まれているのも皮なので、よく洗ってそのまま食べると栄養を逃しません。
加熱調理する
トマトに含まれる栄養素のうち、リコピンやβ-カロテン、ビタミンEは脂溶性です。
脂溶性の栄養素は加熱すると体に吸収されやすくなるため、卵といっしょに炒めたり、シチューやスープにしたりして食べるといいでしょう。
加熱することでかさが減り、皮がやわらかくなって、生のトマトよりたくさん食べられるのも加熱調理のメリットです。
オイルをかけて食べる
脂溶性の栄養素は、加熱するほか、脂質と併せることでも体への吸収率がアップします。
特に、オリーブオイルはリコピンの吸収に役立つオレイン酸でできており、トマトといっしょにとるのに適しています。
加工品を活用する
添加される塩分には注意が必要ですが、缶詰やトマトジュースなどの加工品を活用するのも手です。
リコピンは加工しても失われにくく、むしろ濃縮されて生のトマトより多く含まれている場合もあります。
缶詰のホールトマトやカットトマトは、スープや煮込み料理などに活用できます。
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