マグロはサバ科の大型海水魚
マグロは、スズキ目サバ科マグロ属に属する魚で、個体によっては2~3m程の大きさになることもある大型魚です。
決まった季節に一定のルートを移動しながら生きる性質上、大きな体を維持しながら移動に耐える体力をつけるため、アジやイワシなどの小魚をはじめとした大量の魚類や甲殻類を摂取します。
生息地は種類によって異なりますが、体温より少し低い程度の比較的温暖な海域を中心として回遊することが多く、太平洋、大西洋、インド洋のほか、地中海にも生息しています。
水揚げされたマグロは、冷蔵または冷凍で卸売市場へ運ばれ、競り落とした仲卸業者によって解体されて小売り業者に販売されます。
日本で流通するマグロの種類は?
マグロ属には8種類のマグロが存在していますが、日本で流通しているマグロは6種類です。
なお、日本でよく見かける「カジキマグロ」は、スズキ目マカジキ科の「マカジキ」、スズキ目メカジキ科の「メカジキ」の通称で、マグロとは異なります。
ここでは、日本で流通している6種類のマグロについて、産地とおいしい食べ方を紹介します。
日本で流通するマグロの種類
- クロマグロ(本マグロ)
- ミナミマグロ(インドマグロ)
- メバチマグロ(バチマグロ)
- キハダマグロ
- ビンナガマグロ(ビンチョウマグロ)
- コシナガマグロ
クロマグロ(本マグロ)
マグロ界の王様とも呼ばれる高級マグロのクロマグロは、マグロ類の中で最もサイズが大きく、個体によっては400kgに達するものもあります。
日本では青森県の大間や、千葉県の勝浦が名産地として知られ、秋~冬に旬を迎えるのが一般的ですが、回遊魚のために年によって時期がずれることも。
また、長崎県や鹿児島県、愛媛県などでは養殖が盛んに行われており、その生産量は天然ものの漁獲量を上回ります。
“これこそが本物のマグロ”という意味で「本マグロ」という名前で販売されていることも多いほか、黒々とした見た目の高額な魚であることから「黒い海のダイヤ」とも呼ばれます。
クロマグロの旬は冬で、鮮やかな赤身と、滑らかな大トロが特徴。
濃い旨みをじっくり味わうため、刺身やお寿司で食べるのがおすすめです。
ミナミマグロ(インドマグロ)
ミナミマグロは、インド洋での水揚げ量が多いことから「インドマグロ」とも呼ばれます。
南半球で4~9月頃に漁獲され、急速凍結されたものが鹿児島県や宮城県、静岡県などで水揚げされます。
クロマグロに引けをとらない高級魚で、濃い甘味とねっとりした脂が最大の特徴。
クロマグロと同じく、大トロがたっぷりとれます。
メバチマグロ(バチマグロ)
「バチマグロ」とも呼ばれるメバチマグロは、クロマグロやミナミマグロに比べるとお手頃価格で手に入ります。
脂がのった甘い旨みがあり、赤身の部分を刺身にしたり、醤油に漬け込んだりして食べるのがおすすめ。
トロの部分は筋が多いため、焼いて食べることが多いです。
日本では宮城県や高知県、岩手県、静岡県などで、秋~冬にかけて漁獲されます。
キハダマグロ
背びれや尻びれが黄色味を帯びていることから、黄肌(キハダ)マグロと名付けられました。
トロはほとんどとれませんが、赤身がよく締まっていて崩れにくいため、刺身や寿司にして食べるのに向いています。
味わいはあっさりしていて、癖がありません。
農林水産省「令和4年漁業・養殖業生産統計」によると、日本近海で漁獲される天然マグロの中ではキハダマグロが最も多く、静岡県や宮城県、宮崎県、東京都(小笠原諸島)が主な産地。
春~夏にかけてが、キハダマグロの最もおいしい時期といわれています。
ビンナガマグロ(ビンチョウマグロ)
ビンナガマグロは別名「ビンチョウマグロ」と呼ばれ、マグロの中では最も小さい種類です。
熱帯・温帯地域に広く生息し、高知県や宮崎県をはじめとする日本近海では、8~12月頃にかけて多く水揚げされます。
特に脂がのる冬のビンナガマグロは人気です。
脂がのったビンナガマグロは、ピンク色の身とやわらかい食感が特徴。
回転ずしなどでは「ビントロ」と呼ばれることもありますが、トロではありません。
加熱するとせっかくのやわらかさが損なわれるため、刺身やカルパッチョなどで食べるのが◎。
コシナガマグロ
コシナガマグロは、水揚げされる九州や山陰地方を中心としてほとんどが地産地消されており、めったに市場に出回らない希少なマグロです。
春と夏は脂が少ないあっさりした味わいですが、旬を迎える冬は脂がのって甘味と旨みがぐっと増します。
冬に食べるなら、たたきなどで生のままを味わうのがおすすめ。
身崩れしにくいため、唐揚げなどで食べてもおいしいです。
日本は世界有数のマグロ消費国
マグロ消費大国といわれる日本。
世界的にもマグロの消費量はトップクラスであるほか、日本国内(2人以上の世帯)における魚介類の消費量も、マグロがトップ(※1)となっています。
そんな国内消費者のマグロニーズに応えるため、日本国内で漁獲するだけでなく、世界各国から多くのマグロを輸入しています。
また、クロマグロは日本でも長崎県、鹿児島県、愛媛県などを中心に養殖が行われており、2022年の統計(※2)によると、養殖による生産量は天然ものの漁獲量の約1.5倍に達しました。
※1 総務省「家計調査(二人以上の世帯)」(2021~2023年平均) ※2 農林水産省「令和4年漁業・養殖業生産統計」
国内におけるマグロの種類別漁獲量割合
マグロは栄養も豊富!
マグロはおいしいだけでなく、栄養的にも優れた食材です。
脂が少なくヘルシーな赤身にたっぷり含まれる良質なたんぱく質は、筋肉や髪、皮膚、臓器など体の主成分となる重要な栄養素。
そして血合いには、肝機能を高めるタウリンや血液を作る鉄、三大栄養素の代謝を助けるナイアシン、抗酸化力のある必須アミノ酸であるセレンなどが含まれます。
また、トロには不飽和脂肪酸のDHA・EPAが多く、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
高血圧や動脈硬化の予防にも効果的で、健康メリットの大きい食材といえるでしょう。
栄養も豊富なマグロを、産地から新鮮なうちにお届け!
一口にマグロといっても、種類ごとにさまざまな特徴があることをおわかりいただけたでしょうか。
いずれも刺身や寿司といった生食でこそおいしさを実感できますので、食べ比べてみるのもおすすめです。
めいぶつチョイスでは、全国の産地からマグロをはじめとする魚介類を新鮮なままお届けしています。
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